筋膜システムとは?  


ロルフィングでは、「束・バンド」という意味を持つ「fascia」という組織に焦点を合わせて体に触れます。
fasciaは日本語では「筋膜」と訳されていますが、筋肉だけでなく、
全身の器官をネットワークのように結んでいる組織です。

一般に膜とは、境界面に沿って細胞が密接して並んでいる組織ですが、
筋膜は、下図のように各細胞が離れていて、間には空間が拡がっています。
(これは、結合組織と呼ばれる組織の特徴です)
このような筋膜は、膜というよりはスポンジのような構造をしています。





細胞間に拡がる空間は細胞外基質によって満たされ、この成分によって筋膜の性質が決定づけられます。
ここには、コラーゲンやエラスチンなどのタンパク質の線維があり、
様々な方向に走行して、全体の構造を形作っています。
また、コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸などの、サプリメントでもおなじみの物質も含まれています。
これらの物質は、大量の水分を吸着することで筋膜の弾力性を保持しています。
以上が、簡略化した筋膜の基本構造です。

下図は、筋肉に関与する筋膜を示したものです。
筋肉を収縮させる1つ1つの筋線維は、筋内膜という筋膜で包まれ、
それがさらに束(筋周膜)になり、全体がさらに筋上膜という筋膜で覆われています。
これらの筋膜は、さらに隣り合う筋肉や骨の筋膜(骨膜)、
さらに全身の器官に拡がるように連続していて、
解剖の際にも、手やメスで切り離さない限り、これらを明確に分けることができません。





筋膜は、筋肉だけではなく、骨や各臓器をも包んでいて、
全身の筋膜は連続しています。


このことがとても重要です。
筋骨格系だけでなく、
神経、血管、リンパの経路も、筋膜のネットワークによって形作られているのです。


さらに…、
筋膜には、弾力性や緊張度合が変化する性質があります。

これには、組織中の水分が関与していると考えられています。
これはヒアルロン酸などの、多量に水分を吸着する細胞外基質の働きによるもので、
組織に圧力や張力を加えることで、
含まれる水分の量が変化し、固さや柔軟性が変化するのです。

つまり、筋膜が固くなって、体の動きが制限されている場合でも、
例えば、手などによって圧力を加えることによって、柔軟性を取り戻し、
動きの制限を取り除くことができるのです。

ロルフィングの施術では、これらの特徴に着目し、
全身の筋膜の緊張を解放し、流動性を回復させるように働きかけます。


( ※この他に、近年の研究では、
腱や筋膜の一種である筋周膜などに、平滑筋様の筋線維が見つかっています。
この作用機所についてはまだ不明ですが、
腱や筋膜の一部は、能動的に伸び縮みしていると考えられます。 )